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執筆者の写真nonoueai

ひろがる「こども食堂」の輪

「こども食堂」をご存知でしょうか。

こどもの貧困が先進国随一の日本で、近年広がりを見せる取り組みで、無料、または格安でこども達に食事を提供する活動です。

貧困世帯のこども達が十分な食事を摂ることが出来ないことや、親が長時間労働のためこどもだけで食事を摂る“孤食”の問題も深刻化しています。食事を通して、人との関わりをつなぐこども食堂は、貧困対策だけにとどまらない役割を担っています。

高槻でもいくつかのグループがこども食堂に取り組んでいます。先日、そのひとつ「とんだ子ども食堂」に参加しました。貧困世帯のこどもに限らず、孤食のこども、マイノリティのこどもや親、地域でのつながりを求めるこどもと親の受け皿にもなっています。みんなで食事を摂ることで、自然と会話も弾み、笑顔になっていく姿が印象的でした。また併せて日用品の“ゼロ円マーケット”や紙芝居など、生活支援からこどもの心の支援まで、幅広い取り組みが行われています。

近年の注目の高まりを背景に、自治体でこども食堂の取り組みを始めるところも出てきていますが、運営主体の殆どがNPOなどの民間団体です。決して潤沢な資金があるわけではなく、地域での支援や寄付、食品の無償提供によって成り立っています。

今年フランスで、大型スーパーなどでの売れ残りの食品の廃棄を禁止し、慈善団体などに寄付することを義務付ける法律が出来ました。食品廃棄の問題解決と、貧困層への対策として世界的に注目を集めています。具体的に政策を実施していくためには、小売事業者の負担などいくつかの課題が指摘されていますが、何より食を大切にする成熟した社会としての姿勢が貫かれています。

一方、こども食堂を通して見える日本の姿は、まだまだ“貧困”と言えます。

こどもの貧困の一つの目安である、親の経済状況により学校生活を送ることが困難な世帯に支給される就学援助の受給状況は、高槻も全国並みの6人に1人です。多くのこども達が貧困状態にあるのです。

次の世代を担うこども達の貧困の連鎖を断ち切るためには、国の大きな政策転換が必要ですが、足元からの取り組みも地域のみなさんとしっかりと支援していきたいです。

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